概要

道路の交通容量とサービス水準は,道路交通の計画・設計,管理・運用において必須の検討事項である.交通工学研究会では,かつて交通容量検討小委員会を設置し,交通容量に関する基礎的な事項について継続的に検討が行われ,平成18年には「交通容量データブック」が出版された.しかしながら,その後,交通容量に関する検討の枠組みが廃止されたこともあり,本事項に関する研究・検討は十分に進められてこなかった.

このような状況を踏まえ,自主研究を経て平成24年度より,基幹研究として「道路の交通容量とサービスの質に関する研究」が採択され,その後令和5年度まで4期にわたり継続的に研究を進めてきた.まず,第1期(平成24~26年度)では交通容量やサービスの質を確保する手法として性能照査型道路計画設計の考え方を盛り込んだ「実務技術指針(案)」をとりまとめ,第2期(平成27~29年度)にて本指針(案)を実務者向けに解説した「機能階層型の道路ネットワークのためのガイドライン(Ver.1)」を作成し本研究会HPにて公開した.また,第3期ではフィールドスタディを通じて実務にてガイドラインを適用するうえでの課題を明らかにするとともに,交通状態量の経年変化など交通容量に関する既往知見を体系的に整理し「道路の交通容量とサービスの質に関する研究成果報告書(交通容量編)」としてとりまとめた.さらに,第4期では第3期の成果を踏まえ,性能照査の流れの精査のほか性能目標や性能曲線等を検討しガイドライン改定版(Ver.2)のとりまとめるとともに, 500余の既往文献をもとにした交通容量に関する研究マップなどの作成や,QOS・SM・LOSの概念などサービスの質に関する枠組みについて検討を行った.

一方,国土交通省では,令和5年秋に経済成長と国土安全保障を実現するためのシームレスネットワークの構築に向けた政策集「WISENET2050」を示した.これは道路の階層性に応じた移動しやすさや強靱性(通行止めリスク)など求められるサービスレベルを達成するためのネットワークの構築,およびサービスレベル達成型のパフォーマンス・マネジメントへの転換を目指そうとするものである.これに対し,本ガイドラインをはじめとするこれまでの基幹研究での取組みや各種成果は本政策の根幹をなすものである.これに加えて,交通容量やサービスの質に関する知見を今後も継続的に研究調査していくことの意義は非常に高く,これらを通じて得た新たな知見を体系的に蓄積し公開していくことは交通工学研究の発展に寄与するものである.

以上のことから,本研究会における基幹研究課題として,令和6年度以降も「道路の交通容量とサービスの質に関する研究」を設置し活動していくことは,日本の交通技術の発展に必須であり,大いに意義のあるものである.

これらを踏まえ,本研究では主として以下の課題に取り組むことを目的とする.
(1)交通容量とサービスの質を考慮した性能照査型道路計画設計手法の実用展開
(2)交通状態量に関する研究(交通容量およびq-v関係への影響要因の整理・分析)

(3)移動機能が重視される道路における交通サービスの質に関する検討

研究組織

■ 大学
下川澄雄(日本大学教授)
中村英樹(名古屋大学大学院教授)
大口 敬(東京大学生産技術研究所教授)
喜多秀行(神戸大学名誉教授)
浜岡秀勝(秋田大学教授)
井料美帆(名古屋大学大学院准教授),ほか

■ 民間(コンサルタント)
内海泰輔(㈱長大)
野中康弘(㈱道路計画)
泉典宏(㈱オリエンタルコンサルタンツ)
阿部義典(国際航業㈱)
高橋健一(三井共同建設コンサルタント株式会社), ほか

■ 行政(道路管理者)
国交省道路局企画課
国総研道路研究室
高速道路会社

(2024年4月現在)

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