1.はじめに

 交通工学研究会認定TOP/TOE資格制度では,登録資格に4年間の有効期限が設けられています. 登録の更新を希望する場合には,所定の継続研鑽(CPD: Continuous Professional Development)単位を取得していることが条件となっています.
 このガイドラインは,継続研鑽と連動した技術者資格制度の観点から, TOP/TOEの各資格におけるCPDのあり方を示したものです. また,このガイドラインでは,登録更新に必要とされる4年間で, TOE登録者については200単位(年間50単位以上を推奨), TOP登録者については150単位(年間40単位以上を推奨)を確保するために, どのようにCPDに取り組めばよいか, その考え方とCPD単位の取得例をTOP/TOEの資格ごとに示しています. さらに,CPD単位の申請方法と,その留意点についても説明します.
 資格の登録者にとって登録更新に向けて自らの能力の維持向上を図る際に 参考としていただくだけでなく,TOPからTOEへ上位資格を目指す場合の学習にも 役立てていただきたいと考えています. 登録者のみなさまにおかれましては, このガイドラインに記載された達成目標の実現に向けてPDCA(Plan-Do-Check-Act) サイクルを積極的に回して, CPDに取り組んでいただきたいと考えています.

 なお,平成20年6月に登録資格期限満了日の考え方, また平成20年10月には一部のCPD単位の見直しが行われました.
 さらに平成22年6月より, WEBシステム(TOP/TOE CPD登録システム) が稼動し,本ガイドラインの第5章では,このWEBシステムを用いたCPD申請(登録)・確認方法を 説明しています.
 また併せて,CPD研鑽の形態と内容の分類(表−3)や, CPDに関するよくある質問と回答(CPD-FAQ)も 修正されました.

 なお,資格制度の事務業務については株式会社JTBコミュニケーションデザイン(以下,JCD)に 資格制度事務業務の代行を委託しています.
(H26年4月に株式会社 ICSコンベンションデザイン(以下,ICS)から社名,連絡先等を変更)
また,登録簿から抹消後でも4年以内であれば再び資格を取得できるように制度が変更されました.
 これらの最新の情報を参照の上,確実にCPD単位の取得を進めて頂きますようお願いいたします.

WEBシステム(TOP/TOE CPD登録システム)は こちら
[CPD登録者IDとパスワードをご準備ください.]
操作方法説明はこちら

ガイドライン目次へ  | ページTOPへもどる

2.ガイドライン策定の基本的な考え方

 交通工学研究会認定資格制度では,CPDは次の二つの意味を持っています.
(1) CPDは,登録更新の条件となっていること[能力の維持]
(2) CPDは,TOPからTOEへ上位の資格を目指す際の原動力となること[能力の開発]

 したがって,このガイドラインでは,[能力の維持]および[能力の開発]の観点から 資格認定者の方々に継続的な専門能力開発を進めていただくため, TOP/TOE資格に要求される能力に基づき,資格を取得された方々の能力開発のポイントを 「表−1 資格登録者に求められるCPD」にまとめ, さらに,TOP/TOE資格に応じたCPD課題とその達成目標などが示されています.
表−1 資格登録者に求められるCPD
資格の名称資格取得に要求される能力
TOE(トラフィック オペレーションズ エンジニア)交通技術上級資格者 道路交通技術分野における高度な知識と経験を有し,課題解決に対して, リーダーとして自己の判断で任務を遂行する能力を有する.
TOP(トラフィック オペレーションズ プラクティショナ)交通技術資格者 道路交通技術者として必要な基礎知識を有し, 与えられた任務を遂行する能力を有する.
資格登録者に求められるCPDの目的
道路交通技術分野における業務遂行能力や専門技術能力を維持し, さらに高める.関連する技術分野の知識や経験の拡充に努める. また,行動規範や法規等をよく理解し,部下の指導育成を行なうとともに, その指導能力を高める.
道路交通技術者として専門技術能力を高めるとともに, 上位資格取得を目指して, 倫理や業務遂行能力など技術者としての基本的素養を涵養し, 合わせてコミュニケーション能力など対外的能力を身につける.

 なお,表−1の「資格登録者に求められるCPDの目的」の 欄における「専門技術能力」,「業務遂行能力」などの用語の意味するところについては 「図−1 資格登録者に求められるCPDのイメージ」 も参照して下さい.

図−1 資格登録者に求められるCPDのイメージ

 図−1では,道路交通技術者としての力量(Competency)を大きく「専門技術能力」, 「業務遂行能力」および「行動原則」の3つの能力に分け, 縦軸に「専門技術能力」(高さ)と「行動原則」(深さ)をとり, 横軸に「業務遂行能力」(幅)をとって,習得すべきCPD課題の領域を二次元的に示しています. さらに,「業務遂行能力」を「企画・実行能力」と「対外的能力」とに分けています.
 実際には,たとえばTOPの場合には,1年間に専門業務に従事する経験に250時間, 技術士などの受験勉強に60時間,技術士受験対策講座受講に30時間程度を費やせば, 更新の目安となる40単位のCPD単位が取得できます.詳しくは 「4.TOE/TOPの研鑽形態モデル例」を御覧ください.

ガイドライン目次へ  | 次(3章)へ  | 2章TOPへもどるページTOPへもどる

(一社)交通工学研究会 資格制度事務局