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■第26回交通工学研究発表会報告
1.開催概要
            日 時:平成18年11月1日(水)〜11月2日(木)
            会 場:東京都千代田区 「砂防会館別館会議室」
            発表件数:69編
            聴講者数:約340名
2.セッション名及び座長・副座長は次のとおりである。
  (1)「運転者の認知と挙動」 座 長:元田 良孝(岩手県立大学)
副座長:福田 大輔(東京工業大学)
  (2)「交通流」 座 長:高山 純一(金沢大学)
副座長:小根山 裕之(首都大学東京)
  (3)「交通容量・サービス水準」 座 長:喜多 秀行(神戸大学)
副座長:山田 忠史(京都大学)
  (4)「 交通運用・制御」 座 長:角 知憲(九州大学)
副座長:森 健二(科学警察研究所)
  (5)「交通安全 (1)」 座 長:若林 拓史(名城大学)
副座長:岡田 知朗(首都高速道路梶j
  (6)「交通安全(2)」 座 長:石川 博敏(科学警察研究所)
副座長:三谷 哲雄(流通科学大学)
  (7)「交通行動・意識」 座 長:三星 昭宏(近畿大学)
副座長:村重 至康(中日本高速道路樺央研究所)
  (8)「交通情報 ・ ITS」 座 長:萩原 亨(北海道大学)
副座長:永井 正幸(警視庁交通管制課)
  (9)「交通計画(1)」 座 長:原田 昇(東京大学)
副座長:内田 滋(日本交通技術梶j
  (10)「歩行者・自転車交通」 座 長:秋山 哲男(首都大学東京)
副座長:坂本 邦宏(埼玉大学)
  (11)「交通計画(2)」 座 長:谷口 栄一(京都大学)
副座長:後藤 忠博(潟Iリエンタルコンサルタンツ)
  (12)「公共交通・移動制約者の交通」 座 長:内山 久雄(東京理科大学)
副座長:東 智徳(国土交通省都市・地域整備局)
3.研究奨励賞(3編)及び安全の泉賞(1編) 〇は発表者、論文番号順
  <研究奨励賞・安全の泉賞>
(21)「クリアランス時間の適正化に伴う車両挙動の変化に関する研究」

安井 一彦 (日本大学)
  小貝 真史 (鞄本空港コンサルタンツ)
研究要旨

 平成16年度のわが国における交通事故件数のうち、交差点およびその付近での交通事故は約6割を占めている。さらにその交差点での交通事故のうち、追突事故、出会い頭事故、および右直事故が約8割を占めている。これらの事故に対する対策として、クリアランス時間(黄時間+全赤時間)の適切な設定が挙げられる。
 通常クリアランス時間の設定は「黄時間は車両の接近速度に応じて設定し、全赤時間は車両の接近速度と停止線間距離に応じて設定する」のが理想とされている。しかしながら、クリアランス時間の適正化に伴う車両挙動についての知見は少なく、大半の都道府県は黄時間を独自に一律の値(例えば3秒)で設定している場合が多いことが問題となっている。

 そこで本研究では、同一交差点および同一路線上で、黄時間が異なる場合、車両挙動にどのような違いがあるのかについて比較を行い、適切な黄時間を与えた時、車両挙動にどのような効果をもたらすのかについて分析を行った。またその結果から、車両挙動から見た最適な黄時間の設定による安全性の検討を行い、適正な黄時間を設定することの重要性を明らかにした。
  <研究奨励賞>
(23)「歩行者感応制御の高度化実証実験」

岩ア 茂久 (日本信号梶j
  風間 洋 (葛梹O製作所)
  安井 一彦 (日本大学)
  新倉 聡 (神奈川県警察本部)
研究要旨

 歩行者の信号無視が頻繁に発生する交差点を考えたとき、その一例に、幹線道路で見られるような主道路の幅員が広く従道路の幅員が狭い交差点を挙げることができる。このような交差点の従道路は、交通需要も少なく、その青時間は歩行者の横断保証時間に支配されるため、交通量に対して長くなる。横断待ち歩行者にとっては、交錯する車両は存在しないが、赤信号で待たされるという不条理な状況に陥りやすく、結果として信号無視を恒常化させてしまう。

 そこで、このような信号無視を減少させるため、歩行者の安全確保をこれまで以上に優先した信号制御を開発し、1ヶ月以上にわたるフィールド実験によって、その有効性と適応性を確認した。
  <研究奨励賞>
(41)「渋滞時所要時間情報における変動傾向提供論理の導入」

割田 博 (首都高速道路)
  相川 耕治 (首都高速道路梶j
  原田 宏之 (鞄ケ路計画)
  鈴木 峰雄 (鞄月ナ)
研究要旨

 首都高速道路は、首都圏の基幹的交通ネットワークとして重要な役割を担っている一方で、渋滞が頻発している状況は否めない。この様な状況下、交通管制システムでは、利用者の利便性向上と安全・円滑な道路運用を図るべく、文字情報板等の様々な機器で情報提供している。
 利便性と合理性を両立すべく、情報提供内容についてアンケートを行ったところ、所要時間情報と併せて、その変動傾向提供に対する強い要望が寄せられた。これを踏まえ、2006年2月のシステム更新に際して文字情報板の情報提供に新機能を導入した。本稿では、新機能である渋滞時所要時間情報における変動傾向について、提供論理と検証結果を報告した。

 今回導入した論理は非常に簡便な方法であり、現在提供されている殆どの所要時間情報が瞬時所要時間和を用いている現状を考えれば、首都高速道路以外においても適用の可能性があり、実務的に有用な論理・情報であると考える。


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