インターモーダルとITS(No.23)
情報利用者とプライバシー2


○吉開 情報を集める仕組みはかなり出てきていると思うんだけど、そのデータに公共性があればあるほどしっかり管理してもらわないと困る。だからといって今、動きつつある公開に反対しているわけでも何でもなくて、それはどんどんやってほしいんですけども、ただ、ちょっと気になるのは、官の方でその情報の使い方云々というところまで考えて二の足を踏むとすれば、それは変じゃないか。使い方は民に全部任せて、出しちゃいけないもの以外は全部出す。あとはおまえらで勝手にやれというやり方がいいんじゃないかなと思いますよね。

○赤羽委員長 それが基本ですよ。
 要するに事前検閲をやらないで、結果において決定的に不都合なことがあったら、それは対策をする。

○羽藤 でも、そのときに、位置データというのはキャリアの持ち合わせですよね。キャリアというのは、例えばNTTドコモとか……

○吉開 やろうと思えばすぐできますよ。

○羽藤 だけど、そのデータは、感知器とか検知器のデータをどうするかというのを議論しているようなレベルのものとしてあるんしょうか。僕がいいたいのは、NTTがそうしたデータを公開するとかしないとか。そこのところでプライバシーの問題があると思うんですけど。

○吉開 そのデータを、NTTは多分、商売には使えないでしょうね。

○赤羽委員長 それはあれですか、個々の契約者とそういう特別な契約形態を……

○吉開 ……がないと、ですね。

○赤羽委員長 逆に言うと、そういう契約形態が生まれたら可能性はあるわけですね。

○吉開 あと、ちょっと軸が違う議論になるかもしれませんけれども、アメリカの方では俗称911法案というのが通ってしまって、携帯電話事業者がやらなきゃいけないサービスとして、体調が悪くなって携帯電話のあるボタンを押したら、そこに救急車が来ないといけないということが義務づけられているんですよ。それをやるためには必ず位置がわからないとだめなんですよね。多分、日本もそう遠からずなると思うんですよ。だから、位置把握自体はサービスをする上でも必要だし、必ずやると思うんですね。問題は、得られた情報をオープンにしていいかどうかという契約なんですよね。

○羽藤 個人の位置データに関しても、やっぱり交通管制でデータをどうオープンにするのかというのと同じ問題があるんじゃないかなと思います。実際それを使ってドコモだけがサービスできるということだとスコシ違うような気もします。契約内容が問題ですけど。

○赤羽委員長 そういうオープンな形でルール化されて、明確化されれば、私はそれ自体は批判されるべきことじゃないと思いますね。

○大口 ダークなことがよくわかる人がものすごく公共的な思想を持ってくれると、いいルールが作れるのでしょう。ダークなことが見通せなかったら、いいルールは絶対に作れない。

○赤羽委員長 ネットワークセキュリティの責任者がハッカーに呼びかけて「ハッキングしてくれ」という発想は同じですね。

○荻野 インターネットが発達したのも、そっち側ですよね。そういう理解をすると、ダークな可能性があるということはチャンスかもしれませんね。発展するファクターが十分ある。

○赤羽委員長 100%清廉潔白な存在なんて、おもしろくないですよ。
BBS投稿コーナー



Copywrited by Japan Society of Traffic Engineers